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: 記号について : 前書き : 主語をつけよう

「てにをは」について

「てにをは」を正しく使い分けるのはなかなか難しいことであって、 とくに初級の段階ではまごつくことも多いかも知れない。 しかし早いうちに注意する癖をつけておいたほうが良いと思われるので、 ここであえて言っておく。

レポートなどで、他人の答案を写したことをごまかすつもりか、 同じような答案で、「てにをは」のみを替えているものをたまに見掛けるが、 替えたためにまったく意味が違ってしまっていることがある。 (余談ながら、そのように苦労して違うように書いてみても、実は簡単な計算間違い を皆同じところでしていたりして、どう見ても写したというのがバレバレというのも 見掛ける。)

たとえば、「は」と「が」を入れ換えて、ほぼ同じ意味になることもあるけれども、 まったく違う意味になることだってあるのである。

基本は、「日常語だったらどうだろうか」と置き換えて考えてみることである。

この二つの違いは明白だろう。よっぽどのことがない限り単独では後者は使わない。 偉そうだからである。日本人はお前だけかよ、とツッコミの一つも入ろうというもの。

だから、

も後者を単独で使うことはまずないと心得るべきである。

上で、「単独で」と断ったのは、次のような場合がありうるからである。

私が日本人であるのはこのパスポートが証明してくれる。

もちろんこれに相当するような数学の言葉では「が」が許されるわけだ。 日本語というのはなかなか難しい。

上の例は「微妙なニュアンス」程度であったが、つぎはどうだろう2

同じ意味と言えるだろうか。 次の文はどのようなときに使われると想像されるだろうか。

私は小雪ちゃんは好きである。

「私」「小雪ちゃん」のかわりにいろいろな固有名詞をいれて、 試してみるともっとよい。

違いがわかったら、できるだけ答案では「てにをは」に気をつけていただきたい。



平成15年1月30日