以下、小さい字で妖精国での対応物を書く。
には、次のような前順序関係が入る。
とは、 が の子孫であるということである
に同値関係 が、
で定義される。
とは、 が の親戚であるということである
同値関係により、 がクラス分けされる。 各クラスは「親族」である
クラス ごとに から への写像 とその逆写像 を組み立てよう。 2つのケースに分かれる。
Case I: に最小元がない場合。
このばあい、 である。
と取れば良い。
Case II. に最小元がある場合。
その最小元を とおこう。
は互いに相異なる。
すなわち、 なのである。
だったから、 .
か否かによってふたとおりに場合分けされる。
Case II-1). のとき。
である。
従って、Case I と同じく
と取れば良い。
Case II-2). のとき。
このときのみ、 と の間に違いが生じる。 と との全単射を与えるには、一つずらせば良い。
は全単射であって、その逆写像を と書けば、
と取れば良い。
上の証明は クラス分けの際に 選択公理を使っている。 実際には、選択公理を使わなくても済むので、 これは少し「弱み」と言えるかもしれない。
選択公理を使わずに証明するには、次のように考える。
とおく。
は へそのない最長老たちの全体の集合にあたる。
さらに、
とおこう。 [ は自分たちの親戚にへそのない最長老がいる人の 全体の集合にあたる。i 上の はその補集合で, 親戚が皆へそを持つような人の全体の集合である。 ]
さて、
は全単射である。
次のことは容易に分かる。
よって、 と の間の全単射が存在する。
このラインが、 本講義の教科書(小林、逸見著、「集合と位相空間の基礎、基本」)にある証明 である。記号もなるべくあわせてある。詳細は教科書を参照のこと。