◎ には端点があって、そこでのようすは のほかの点の ようすと大きく異っている。それに対して、 の各点はどの点も似ている。
(つまり、どの をもってきても ) が成り立つときに言う。
◎ 集合の上界は存在するとは限らない。 また、上界が存在したとすると、それはいくつもある。
次の定理は実数の基本的な性質である。次回以降詳しく解説する。
は上界をもつだろうか、 もつ場合には上界を一つ挙げてその理由を説明し、 もたない場合にはもたないことの理由を説明せよ。
(解答)
である。 したがって、 は上界 をもち、上に有界である。
上界は一つ挙げれば十分である。上の例題なら (上限) でも良いし、 でもよい。下の「問題」のように が具体的に分かりにくい場合には、 つぎのような別解が参考になる。
(別解) まず、 とおくと、 の元 は を満たす。 なぜなら、もし なる が存在したとすると、
となって、これは に反する。
したがって、 のどの元も、 以下である。 すなわち、 は の上界の一つである。
旅行に行くとき、かかる旅費をキッチリ計算して、その分のお金しか 持って行かない人は少なかろう。「大体△万円あれば十分」とか 見積もる。これが上界の考え方。
は上界をもつだろうか、 もつ場合には上界を一つ挙げてその理由を説明し、 もたない場合にはもたないことの理由を説明せよ。