前回の流れから行くと、行列 をまず弱固有空間ごとに分けて考えて、
それぞれの部分で
の標準型を考えるのが自然であるのだが、
若干見方をかえて加群の理論から話を進めよう。
次正方行列
が与えられているとする。
は
さて、 の成分を多項式に拡張して、
テンソル記号をドットに置き換える操作を と書こう。
すなわち、
を
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は線型写像で、全射であることはすぐに分かる。
の核は、次のような線型写像の像と一致する。
を
と
の基底を取り換えることによって、できるだけ
やさしい表示にすること、これがポイントである。
実は、
のような特殊な元に限らず、そのようなやさしい表示がある。
すなわち、
ではユークリッド除法(余りを許した割り算)ができることから、
「掃き出し法」が使えて、次のような命題が成り立つ。
(ただし
上の
は
の単因子と呼ばれる。
上の はそれぞれ
次のような「基本変形」を具体的に表現するような行列の積である。
この続きは次回にまわす。