: 前小節の補遺
: その1:基本列ベクトル
: を実ベクトル空間とみる。
この小節の内容は線型代数から逸脱しているが、ついでだから付け加えておく。
代数の講義を受けてから振り返ってみるとよいだろう。
環 と、その元
が与えられているとき、
に元 を付け加えた環 を作り、 のなかで が
の根になるようにしたい、
つまり、
|
(※) |
が成り立つようにしたいということがたまにある。
(例えば、
は
に の根を付け加えたものである。)
もしそのような が仮にあったとすれば、
であることがわかる。というのも、
は関係式 (※)により の 次以下の
多項式で表現しなおすことができる
し、
も
いったん を (※) で の 次以下の多項式に置き換え、
その後この式を展開して出て来た をもう一度 (※)を使って 次以下に
置き換えることができる。
も同様であるからである。
となると、やはり
に 倍がどのように作用するかが問題になる。
前小節と全く同様な考察により、それは -行列
という行列と対応することがわかる。
は を満足することにも
注意しておこう。
このように、行列により、 上の方程式 を満足する
ような を具体的に構成できるわけである。
平成15年1月30日