next up previous
: 主語をつけよう : 前書き : 前書き

略語について

日本語の乱れは言われだして久しいうえに、マスコミもおびただしい量の 略語を用いてそれを煽っている気配すら感じられる。

「ハリーポッター」を略して「ハリポタ」さらに「ハリポ」 1。 紙面に限りのある新聞はともかくとしても、様々な Web page にもこのような 略語を使うのはいかがなものか。

数学者自体もさまざまの(場合によっては品のよくない)略語を用いているので、 それらにいちいちメクジラを立てても仕方がないのだが、 「線型代数」のことを「センケー」と略すのはとりあえず 私の前では避けていただきたい。

ジンマシンがでるのである。

「線型」という言葉は、

「ナントカという写像は線型である」

「カントカという部分集合は線型である」

という風に使われることも多く、このときに上記略語を使う人々が、 混乱しないのか少し心配になる。

私の部屋に学生が質問に来て、

「先生、センケー分かりません」

などと言われると、学生の顔をしばし眺めて、 線型になってないかどうか確かめたくもなろうというもの。 どうかわかってくだされ。


平成15年1月30日