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代数学特論 I 要約 No.1
が 体
上の 1変数多項式環
のときと
整数環
の時のそれぞれについて、
のイデアル
と、
の様子を、とくに
が整域でない時を
中心に調べる。
今日のテーマ:
定義 1
は単位元をもつ環であるとする。
このとき、
の環としての直積
とは、デカルト積集合
の上に、
次のような演算を定義した物である。
と
の環としての直積を、普通
と書く。
次の二つの補題を用いると、上の定理の適用例がたくさん作れる。
補題 2
単位元をもつ可換環
の元
が、関係式
を満たせば、
- 1.
-
は定理1 の仮定を満たす。
- 2.
-
である。
補題 3
が PID で、 その二つの元
が共通の素因子をもたなければ、
となる
の元
が存在する。
環の直積分解においては、二つの基本的な元が重要な役割を果たす。
上の補題により、環を直積分解したいときには、
を満たす
元
を探せばいいことがわかる。
のことを
(直積分解に対応する)射影と呼ぶ。
※三つの環
の直積も二つの場合と同様に定義される。
環
は
と
同型である。4つ以上でも同様。
Yoshifumi Tsuchimoto
2000-10-21