この表示の作り方を思い出してみると、右辺の元に対して の 被覆 をとり、 を うまく つなぎ直すことにより、 上の代数の層 (東屋代数)を構成するというものであった。 先に述べたように と とは森田同値であるから、 加群のカテゴリーを構成するのは単に 加群の カテゴリーをつなぎ直すことにほかならない。 すなわち、上の表示の解釈においては、 カテゴリー論的に考える方がかえって自然であることが 納得頂けるだろう。
前節でも見られたことだが、非可換スキームの族を考えようとすると ある連続的な対象の有理点ないしトージョン点に対応する部分 のみが捉えられることがあるようだ。 「解析幾何学」の様な対象にまで話を広げて、 とびとびにしか出て来ていない 「東屋代数 の上の module の圏」を補間するような圏が 「解析幾何学」の様な対象にまで話を広げて出て来ると面白い。
また、前節で見た二次元トーラスの変形はこの節で述べた構成と 深く関連している。この奇妙な合致が何を意味しているかは、 興味深い研究材料になると思われる。