注意: 「部分環」の定義により、 は( が何であっても) 常に の単位元 を元としてもつ。 しかし、単位元の存在を意識しておくために、以下では 始めから には の単位元 が入ったものだけを考えることにする。
補題の証明の途中で、次の補題が必要になるので、ここに掲げておく。
実際には、生成される部分環には次のパターンのものがよく使われる。
この記法によれば、上の例の (4),(5) はそれぞれ次のように書ける。
このように、 が実際にはどのような元を もつのか決定することも基本的で、重要である。それは通常 次の手順で行う。
注意
本講義 の範囲では他に 等が重要になる。 ( , , は全て体である。すなわち積は可換であり、 0 以外の各元は逆元を持つ。)
同様にして、2変数多項式環 ,3変数多項式環 等が定義される。
多項式 は書くのが面倒なので、多重指数を用いると便利である。 という略記法を用いると、 は と簡略化して書ける。 定義により、 環 は 環 上の を変数とする 一変数多項式環と同じものとみなせる。