問題 6.3
は
上既約である。
(略解1) [
上に帰着]
ガウスの補題により、
上既約であることをいえばよい。
もし が
上可約であれば、
次数の関係を考えると、一次式の積に分解する他はないことがわかる。
最高次の係数を比べることにより、それらの一次式は(符号の調整後)モニックである
ことがわかるから、
さらに、一次の項をくらべれば、 であって、
これを満たす整数 は存在しない(大きさの比較により、 で、
あとは全数調査。もちろんもっと効率的な方法でもよい。)
(略解2)
ガウスの補題により、
上既約であることをいえばよい。
それには
で既約であることを言えば十分。
では
に対して、
であるから、
の根は
の中にはない。
問題 6.4
は
上既約である。
(略解1) [
上に帰着]
ガウスの補題により、
上既約であることをいえばよい。
もし が
上可約であれば、
となる
で、定数でないものが存在する。
次数の関係により、 のうち一方は1次式、もう一方は2次式であり、
さらに係数の関係により、
再び係数の関係により、 は の約数、すなわち の
元でなければならない。
でなければならないが、それは不可能。
(略解2)[
上に帰着]
ガウスの補題により、
上既約であることをいえばよい。
そのためには、
上既約ならば十分である。
は
に根をもたないことがわかるから、
は
上既約である。(根をもたない 2次 or 3次の多項式は既約。)
問題 6.5
は
上既約である。
(略解)[
上に帰着:
に関する不変性を使う]
ガウスの補題により、
上既約であることをいえばよい。
それには ( が)
上既約であることを示せば十分である。
以下
で議論する。
であるから、
|
(6.1) |
であることに注意しておく。
であることから、
(6.1)式により、
in
言い換えると、
上では は1次の因子をもたない。
が仮に 2次の既約因子 を持つとする。
はモニックであると仮定してよい。(6.1)式により、
は をも既約因子に持つ。
同様にして、
はすべて の2次の既約因子であることがわかる。
素因子分解の一意性と、これらがモニックであることとにより、
これら5つの多項式のうち少なくとも2つは等しい。
このことはじつは
がすべて等しいことを意味している。
(演習問題:
は加法的に で生成されることを用いる。)
とくに
このような
上の 次式は存在しない。(練習問題)
(略解2) [
上に帰着:コンピュータを使い全数調査]
ガウスの補題により、
上既約であることをいえばよい。
それには (
が)
上既約であることを示せば十分である。
以下
で議論する。
であるから、
は
上1次の因数をもたない。
がなりたつような
を機械で総当りに求めると、
そのようなものは存在しないことがわかる。
(総当りに必要な組み合わせは とおり。)
よって は既約である。
後半は次のように処理すると計算をかなり減らせる:
を で割った余り
の の値として
のどれをとっても 0 にはならない。
( の値の選び方は とおり。このぐらいならうまく整理しながらやれば
人間でも可能。)