線形代数学II No.9要約

今日のテーマ: 行列の対角化。

今回も引き続き、行列は複素数体 $ {\mathbb{C}}$ 上で考える。

  1. $ n$ 次正方行列 $ A$ に対して、 $ A$ の固有多項式 $ \operatorname{det}( x E_n -A)$ の根が $ A$ の固有値。
  2. $ \lambda$$ A$ の固有値 $ {\Leftrightarrow}$ $ (A-\lambda E_n ) \mathbbm x={\pmb 0}$ が非自明な解を持つ。 この解が $ A$ の(固有値 $ \lambda$ に属する) 固有ベクトルである。
  3. % latex2html id marker 723
$ k\leq n$ に対して、

    % latex2html id marker 725
$\displaystyle A \mathbbm x_i = \lambda_i \mathbbm x_i \qquad (i=1,2,3,\dots, k)
$

    という等式を得たならば、それらを並べる(連結する)ことができる。じっさい、 $ P=
(\mathbbm x_1
\mathbbm x_2
\mathbbm x_3
\dots
\mathbbm x_k)
$ をもちいて、

    % latex2html id marker 729
$\displaystyle A P = P D
\qquad ($但し $D=diagonal(&lambda#lambda;_1,&lambda#lambda;_2,...,&lambda#lambda;_k)$$\displaystyle )
$

    と書ける。 ここのところは、

    $\displaystyle \mathbbm x_i \overset{A\times}{\mapsto } A \mathbbm x_i
$

    $ P$ により、

    $\displaystyle \mathbbm e_i \overset{D\times}{\mapsto } \lambda_i \mathbbm e_i
$

    と比べられることを意味している。

  4. とくに、$ A$ の固有ベクトルたちで、$ n$個の一次独立なものが見つかれば、 $ A$ を対角化できる。