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代数学 IB No.5要約
《剰余環、素イデアル、極大イデアル》
前回までに、環
の、そのイデアル
による剰余環について解説した。
なる判定法により
にクラス分けが入ること、
に加法、乗法が
代表元のとり方によらずに定まることがポイントであった。
たとえば
において、
を計算するのに、
を計算してもよいが、
と代表元を取り換えてから
とやっても良いわけである。
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次のことにも注意しておこう。
一般に、
とは環
に
の各元
に応じた関係式
を
新たに導入しててきた環である。例えば:
-
とは、
に新たな関係式
を導入してできた環である。
-

とは、

に新たな関係式
を
導入してできた環である。
-

とは、

に新たな関係式
を
導入してできた環である。
のような剰余環の性質は、いままで知っていた数のものとは若干異なる。
そのことを説明するために、いくつかの言葉を用意しておく。
定義 5.1
可換環

の元

が

の
零因子であるとは、

かつ

をみたす

の元

が存在するときに言う。
もちろん、体は必ず整域である。
これらの名前の由来はもっとあとのほうで述べる。
さしあたっては、次の例が重要である。
定義 5.4
素数

が与えられたとき、

は(上の例に述べたように)元の数が

の体である。
この体を

と書く。
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2016-10-31