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論理と集合要約 No.5

第5回目の主題 : \fbox{集合の演算の例}

集合を扱う際は 個々の元を取り出し、 諸性質を論理で証明する。

例えば、 $ A=6{\mbox{${\mathbb{Z}}$}}$ , $ B=2{\mbox{${\mathbb{Z}}$}}$ にたいして、 $ A \subset B$ を示すには、

  1. $ A$ の各元 $ x$ について、
  2. $ x=6 n =2 (3 n)$ であることを示し、
  3. $ x=2(3n)\in B$ と結論する。
というステップを踏む。

同様に、 $ A_2=\{ x\in$$ \mbox{${\mathbb{R}}$}$$ \vert x>20 \}$ , $ B_2=\{x\in$   $ \mbox{${\mathbb{R}}$}$$ \vert x^4 -7 x -9 >0\}$ に対して、 $ A_2 \subset B_2$ を示すには、

  1. $ A_2$ の各元 $ x$ について、
  2. % latex2html id marker 817
$\displaystyle x^4-7x-9 \geq x^4 - 10 x^3 -10 x^3 \geq x^3 (x-20) > 0
$

    であることを示し、
  3. $ x\in B_2$ と結論する。
と良い。

問題 5.1   実係数の多項式 $ f(x)=a_n x^n+a_{n-1} x^{n-1}+ \dots +a_1 x + a_0$ が、 $ a_n>0$ を満たすとする。 $ M= \frac{n}{a_n}\max\{\vert a_n\vert,\vert a_{n-1}\vert ,\vert a_{n-2}\vert,\dots, \vert a_0\vert\}$ とおくと、

$\displaystyle \{ x \in$   $\displaystyle \mbox{${\mathbb{R}}$}$$\displaystyle \vert x >M \} \subset \{x \in$   $\displaystyle \mbox{${\mathbb{R}}$}$$\displaystyle \vert f(x) >0\}
$

が成り立つことを示しなさい。

集合の一般論でも同様。

問題 5.2   集合 $ A,B,C,D$ に対して、

$\displaystyle (A \subset C$$\displaystyle \text { and } B \subset D )\implies A\cup B \subset C \cup D
$

を示しなさい。

問題 5.3   集合 $ X,Y,Z$ に対して、 $ X \subset Y \implies Z \setminus X \supset Z \setminus Y$ を示しなさい。

問題 5.4   集合族 $ \{A_i\}, \{B_i\}$ が与えられた時、包含関係

$\displaystyle (\cup A_i) \setminus (\cup B_i) \subset \cup (A_i \setminus B_i)
$

および

$\displaystyle (\cap A_i) \setminus (\cap B_i) \supset \cap (A_i \setminus B_i)
$

を示しなさい、



Yoshifumi Tsuchimoto 2016-05-16