今日のテーマ
3次方程式
を解こう。 この方程式の根を とする。 根が何であるか、具体的に知らないわけだが、その存在は既に知っている。 の持つ性質から逆算して、その解き方を見ようというわけだ。
(★) |
が得られる。 は知っている数だから、 の 基本対称式の値を知っているということになる。 の対称式の値もこれらから( の値を個別に知らなくても) 計算できる。 したがって、如何にして便利な対称式を作るか、が大事になる。
ラグランジュの分解式
(R1) |
このことから、 を二次方程式
の二根として計算することができて、 あとはその3乗根として を計算できる。 そこから を 出すのは連立一次方程式を解けばよい(ラグランジュの分解式二つと 根と係数の関係の一番目の式)ので簡単である。
4次方程式の場合を考えよう。 根を とおくと、
ここから根と係数の関係が得られ、やはり の 対称式は から( の値を知らなくても) 計算できる。
ラグランジュの分解式として、
をとる。 の基本対称式
はそれぞれ の対称式になっていることが分かり、したがって から計算できる。 すなわち、 は
の三根であるから、前段のように巾根を用いて から計算できる。 あとはその平方根を計算すれば、 が計算されて、 一次方程式の根として が計算されるという仕組である。