ベクトルの一次独立性(続)。一次写像。
ベクトル は、 その自明でない線形結合
が 0 に等しくなりうるとき、線形従属、 そうでないとき、線形独立であるというのでした。 線形独立性は、和とスカラー倍という線形代数らしい 言葉で語ることができる一方、それは成分で書くと連立一次方程式と 関連しているのでした。
&dotfill#dotfill;
とおくと、 は一次従属である。 実際、
だからである。
とおくと、 は一次従属である。 実際、
だからである。(一般に、一次従属なベクトルのあつまりに余分なベクトルを 付け加えてもやはり一次従属である。)
上の例で、 の あいだの線形関係をカンに頼らずに求めるには、連立方程式
を解けば良い。
想像がつくように、二次元ベクトル空間 の 3個以上のベクトルは必ず 一次従属である。このことは、一般のベクトル空間の「次元」を一次独立性を 用いて定義できる可能性を示している。 実は、ベクトル空間 が与えられた時、その中で一次独立なベクトルの 最大数のことを の次元というのである。
&dotfill#dotfill;
数ベクトル空間 と、ほかのベクトル空間を比べたくなる。 あるいは、ベクトル空間同士を比べることもあるだろう。 そのために、次のようなものを使う。
「線形」という言葉の由来は次の命題から分かるかもしれない。
なる形をしたものである。
なる形をしたものである。
この定義では「直線」や「線分」として の場合 (本来は「点」と呼ぶべきもの)を含む。そのほうが下の命題の記述が 簡潔になってラクだからだが、使用の場合にはちょっと注意が必要である。
( は第 成分が でその他の成分は 0 で あるようなベクトル)のことを基本ベクトルと呼ぶ
※レポート問題
を満足するとする。このとき を求めなさい。
を満たすとするとき、上の図形を で 写した先の図を書きなさい。