復習 ベクトル空間の次元という量を使って、今までのことを 少し整理してみよう。
の基本ベクトル は 一次独立であるから、 が分かる。 逆に、つぎのことが行列の標準形の議論から分かる。
よって、(当たり前に見えるが定義通に確かめようとすると自明ではない)つぎのことが 成り立つ。
すでに述べたとおり(命題12.2)、正則行列の 個のベクトルは 必ず一次独立であった。
逆に、 つぎのことがわかる。
は正則行列である。
次元ベクトル空間 の 個の一次独立な元を、 の 基底 と呼ぶ。基底を選ぶということは、 の座標をひとつ選ぶという事に 相当する。 基底という言葉を使うと、上のことは次のように整理される。
が正則行列であることは同値である。
行列の階数という概念も、次元を用いて述べることができる。
の次元に等しい。
行列の両側変形による標準形は、つぎのことを教えてくれる。
つぎのことが出来れば一学期合格と言えるだろう。