行列 は 普通の数のように、足したり引いたり掛けたりできるのでした。 行列をブロックに区分けすることにより、計算を簡単にすることができる 場合がありました。
&dotfill#dotfill;
行列の基本変形
( の 列 を 倍した行列) | ||
( の 列と 列を入れ替えた行列) |
◎ 置換と置換行列
上の は「シフト」の一般化。 は 対角行列である。 については新しく出てきた。これは「置換行列」と見るのが自然である。 これを説明しよう。
なる行列のことを に対応する置換行列と呼ぶ。
置換行列の言葉を用いれば、 は互換 に対応する置換行列と 言うことになる。
◎右基本変形
与えられた行列 (正方行列と限らない) にたいし、 基本行列(これは正方行列)を右からいくつかかけることにより、 と同じサイズの新しい行列を作ることができる。 この操作を右基本変形という。
右基本変形は、基本ベクトルの行き先をみることで理解することができる。
次のことも基本的である。
「大抵の」正方行列 は右基本変形を連続して行うことにより単位行列 に 変形できる。つまり、基本行列 があって、
そこで とおけば、 である。 は逆行列を持つので、 が の逆行列であることがわかる。 つまり、 にどんな右基本変形をすれば になるかを詳細に記録すれば、 の逆行列が計算できる。右基本変形をいちいち記録しておくのは面倒である。 次のようなトリックを用いるとよい。
を考える。もし、 に右基本変形を繰り返して"上の部分"が , すなわち
のかたちとなったとすると、"下の部分"の の部分が の逆行列である。
に基本変形を繰り返して に変形せよ。(余力があれば、 の逆行列をもとめよ。)
&dotfill#dotfill;
他に成分が下半分にくるタイプももちろんあるが、 スペースの関係で省略する。 | ||