第 3回目の主題 :
いよいよ収束性の定義を述べよう。
がなりたつときに言う。
で定義するとき、 は何かある値に収束するだろうか。 定義に基づいて理由を述べて答えなさい。
(証明) 背理法で、 がある数 に収束したとする。 収束の定義の として を採用しよう。 ある が存在して、
ならばいつでも | (※) |
がわかり、
がわかる。
となって矛盾である。
よって、 はいかなる値にも収束しない。
で定義するとき、 は何かある値に収束するだろうか。 定義に基づいて理由を述べて答えなさい。
(証明) 与えられた にたいして、 として、 より大きい整数を一つとっておく。 (そのようなもの(すなわち与えられた実数よりも大きな整数) が存在することは、「アルキメデスの原理」として 保証されているが、マアさしあたっては当り前だと思っても良い。)
この が収束の定義の の役割を果たすことを示そう。 実際、 なる任意の にたいして、
となって、いずれの場合にせよ が成り立つからである。
で定義するとき、 は何かある値に収束するだろうか。 定義に基づいて理由を述べて答えなさい。
念のためアルキメデスの原理のステートメントを述べておこう。
を満たすものが存在する。
全体を で割っておけば、次のように言い換えてもよい: どのような実数に対しても、それよりも大きな正の整数が 存在する。