逆写像定理。
で定義する。
で定義する。
で定義する。
が 級だという仮定によりこのような は存在する。 このとき、
がなりたつ。
上の定理の証明のキモは、以下の補題(Newton 法)である。 ただし、 の逆行列のところを、 で置き換える部分が、本物の Newton 法とは異なる。
すると、 の像は に入る。
すると はある関数 に各点収束する。
のとき、
とくに、 が 級なら、 も 級である。
逆写像定理では、定義域と値域の次元が等しく、 なおかつ点 での の微分 が 可逆であることが適用のポイントである。 しかし、下のような考え方を用いて、 定義域と値域の次元が違う場合にも、逆関数の定理を応用することができる。 ここでは大まかな考え方のみ書いておこう。(詳細は乞御研究)
が を満足したとする。 とおこう。 このとき の局所的な逆写像
が存在する。 すなわち、 が に近いすべての に対して成り立つ。 とくに、 は
をすべての について満足する。これは、方程式 を について 解いたことに相当する(陰関数)。
※レポート問題
(期限:次の講義の終了時まで。)
なる(二変数ベクトル値)関数の における微分 を もとめよ。 となるのはいつだろうか? (つまり、 が どのような値のときか?)