《積分による表示、多変数関数のテイラー展開。》
今回の話では、つぎのようなことをたびたび用いる。
が成り立つ。
先週、定理5.3 の証明が残っていた。 次のような積分の計算が基本になる。 まずは微積分の基本定理から容易に従う一変数の場合。
次は、それを用いた二変数の場合。
以上は、偏微分は「軸方向の変化を記述する」ということからくる 制限の下で、苦労して から に近づいた式である。 一旦定理5.3 が確定した後は、 級関数は自動的に全微分可能である から、「まっすぐ」近づくほうがわかりやすい。
《高階微分》
は、 を と同一視することで、(全)微分可能性を 議論することができる。 の での微分を
と書いて, の二階微分とよぶ。 つまり、 は、 から への線型写像である。 が各 について存在して、連続であるとき、 は 級であると呼ぶ。
微分と同様に高階微分も偏微分を用いて記述できる。
がなりたつ。
(2)の証明では二変数の場合が本質的である。
を二つの道筋で積分表示することになる。
※レポート問題
(期限:次の講義の終了時まで。)