《合成関数の微分・連鎖律》
(全)微分を「一次近似」としてとらえると、 合成関数の微分は大変やさしい。
(`` " は行列の積)が成り立つ。
全微分の行列成分は偏微分係数であったことを思い出すと、 次の系が得られる。
他方で、
であるから、
であって、簡単な行列算により、この場合に定理が実際に正しいことを 確かめられる。
変数の数 を変えて、上の系をいろいろ書き換えてみると良い。 ``連鎖律''の感じが掴めるだろう。連鎖律は、変数変換を考える際に特に重要になる。
を の関数とみたものを、 の での 偏導関数とよぶ。
上の定義では、 としてはベクトル値を許して記述した。 下の定義でも をベクトルのままで扱っても良いのであるが、 あえて成分で書いておくことにする。
が存在して、しかも について連続であるときにいう。
上の定義は、確かめやすいが、偏微分を用いているので 「偏った」感じである。
証明には次の補題を(連続して)用いると良い。
がなりたつ。ここに、 は基本ベクトルである。 (同様の表示が他の軸方向についても成り立つ。)
オット、次の定理も必要になる。証明は位相空間論の講義を参照のこと
※レポート問題
(期限:次の講義の終了時まで。)