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微分積分学概論AI要約 No.11

\fbox{連続関数の性質}

定理 11.1 (``教科書定理1.13'')   関数 $ f$$ x=a$ で連続とし、 $ f(a)>0$ とする。このとき、 $ \exists \delta>0$ で、

$\displaystyle (a-\delta,a+\delta)\implies f(a)>0
$

を満たすものが存在する。

次のことは、「連続 $ \implies $ グラフがつながっている」ということの 表現法の一つと言える。

定理 11.2 (``教科書定理1.14'', 中間値の定理)   関数 $ f$ が閉区間 $ [a,b]$ で連続(すなわち、$ [a,b]$ の各点で連続)とする。 このとき $ f(a)$$ f(b)$ の中間の値 $ \gamma$ にたいして、 $ f(c)=\gamma$ をみたすような $ c\in [a,b]$ が存在する。

上の定理は、位相空間論において「連結集合の連続像は連結である」という 定理に一般化される。区間は実数直線の連結部分集合として特徴づけることができる。

定理 11.3 (``教科書定理1.15'', ワイエルシュトラスの定理)   閉区間 $ [a,b]$ 上の連続関数 $ f$ は必ず最大値をとる。 (とくに $ f$$ [a,b]$ で有界である。

上の定理は、位相空間論において「コンパクト集合上の連続関数は 最大値をとる」という定理に一般化される。閉区間はコンパクト集合の 重要な例である。

例題 11.1   ワイエルシュトラスの定理で、閉区間を考えているのは大変重要である。 そこで、
  1. 開区間 $ (0,1)$ で連続な関数 $ f$ で、有界でないものの例を挙げ、 実際にそれが有界でないことを示しなさい。
  2. 開区間 $ (0,1)$ で連続な関数 $ f$ で、有界だが、 最大値をもたないものの例を挙げ、 その $ f$ について 実際に

    $\displaystyle \{f(x); x\in (0,1)\}
$

    の上限を求め、最大値は存在しないことを示しなさい。

問題 11.1   閉区間 $ [0,1]$ で定義された実数値関数 $ f$ が、$ f(0)=0$ かつ

% latex2html id marker 784
$\displaystyle f(x)\neq 1 \qquad ( \forall x \in [0,1])
$

を満たすとき、ある正の数 $ \epsilon $ で、

% latex2html id marker 788
$\displaystyle f(x)<1-\epsilon \qquad(\forall x\in [0,1])
$

を満たすものが存在することを証明しなさい。



2008-06-23