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日本語技法 No.1
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写像
定義 1.2
集合
と 集合
が与えられているとする。
の各元
にたいして、 ある
の元 (
と書かれる) がはっきりと(ただ一通りに) 定まっているとき、
から
への
という
写像
が 定義されていると言う。 さらに、このとき、
を
の定義域(または始集合)といい、
を
の 終集合と言う。
注意。
ようするに、
が与えられているとき、
は
誰が答えをだしても必ず
(計算間違い等はもちろん除いて)
同じになる。
ということが大事なのである。
大学レベルの数学では、始集合と終集合をまず指定してやることが大事である。 同じ式で書かれるような写像でも、始集合や 終集合が異なれば全く違う写像と考えるべきである。
例 1.1
つぎのおのおのの、「写像のようなもの」について考えよう。
平面三角形全体
$&Delta#Delta;$ の三辺
平面三角形全体
$a,b,c$ は $&Delta#Delta;$ の三辺
これらのうち、(2)は写像である(
うまく定義されている
)。 (1),(3) は写像ではない(
うまく定義されていない
)。 ただし、(4)については平方根を「非負のものをとる」と約束しておけば うまく定義されている。このように、 そのままではうまく定義されていないものでも、 言葉を補うことによってうまく定義できているように修正できる場合がある。
問題 1.1
つぎのような写像
(分数に対してその分母を与える写像)を作りたい。
(*)
このとき、
を
と定義しようとしても、これはうまく定義されていないことを 示しなさい。
(1)を修正して、 (*) を満たす写像
の例を作りなさい。
2007-10-02