定義とは、 言葉の使い方のとりきめのことである。 数学では、どのような言葉も、そのような取り決めなしで使われることはない。 (ただし、「整数」「有理数」、「和」、「積」などの言葉をきちんと定義するのは 手間がかかる。 それらについて詳細に定義するのは この講義では控える。 (端的に言えば、整数は帰納法を援用して定義し、 有理数は整数の「商」 に適当な「等しいかどうかの判定規則」と 定義する。) それらについて詳細に定義するのは この講義では控える。 実数は有理数の極限として 定義するのだが、今日はその「極限」の話題である。)
と とはなにか。
は、「どんな に対しても、 がなりたつ」という意味。
は、「なにかある一つの に対しては、 がなりたつ」という意味で用いる。
正の整数の全体のことをこの講義では と書く。 数列とは、数学的には次のように定義できる。
数列が「収束する」ということの厳密な定義をしよう。 それには、絶対値を用いる。
(ただし平方根は0以上のほうを選ぶ。)
がなりたつときに言う。
この定義が使いこなせるようになれば、この講義の目標の 80% は 達せられたと言って良い。
で定義するとき、 は何かある値に収束するだろうか。 上の定義に基づいて理由を述べて答えなさい。