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日本語技法 No.7

前回の小テスト問題の解答と、考え方、解答の書き方を解説し、 前半のまとめとしよう。

[前回の問題] 写像 $ f: X\to Y$ が与えられているとする。 $ A_1,A_2 \subset X$ , $ B_1,B_2\subset Y$ とするとき、

$\displaystyle f(A_1)\cap f(A_2)=f(A_1\cap A_2)\tag あ$    
$\displaystyle f^{-1}(B_1)\cap f(B_2)=f(B_1\cap B_2)\tag い$    

はいつでも正しいだろうか。正しい場合には証明し、 正しくない場合には具体的な反例を挙げよ。

  1. アイディアを得るためには、 例を駆使したり、たとえ話を考えたりする。 そのさい、必ずしも論理的である必要はない。
  2. 良いアイディアが浮かんだら、今度は論理の活躍する番である。 一歩一歩着実に確かめるのが良い。
  3. アイディアが浮かばない場合などに、問題を「論理記号」 などの記号で全部書いてしまうのが 有効な場合もある(「和文数訳」)。問題が整理されて見やすくなるからだ。

  4. 論理がしっかりしたら、つぎに、それを他人にうまく説明するのには どうすれば良いかを考える。

「証明」は「道案内」に似ている。出発点は 既存の知識であり、到達点は定理の主張である。その見方からすると、

  1. アイディアを得るのは、目的地への道筋を あれこれ思案することにあたる。 そのさい、必ずしもそれらの道筋を実際に歩いてみる必要はない。
  2. 道筋が決まったら、今度は実際の案内の番である。 一歩一歩着実に確かめるのが良い。(思考のように「ワープ」するわけにはいかない。)
  3. ちょっと記憶があやふやになったような場合には、 筋の名前を地図で確認することが有効な場合がある。
  4. 案内を確実にするためには、相手にわかりやすく説明しながら いくのがよい。そうすれば、相手が不安にならずにすむし、同じ箇所を 二度案内する必要もなくなる。

問題 7.1   写像 $ f: X\to Y$ が与えられているとする。 $ A \subset X$ とするとき、

$\displaystyle f(\complement A)=\complement f(A)
$

はいつでも正しいだろうか。正しい場合には証明し、 正しくない場合には具体的な反例を挙げよ。



2006-11-21