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日本語技法 No.6

集合算

$ x$ についての命題 $ P(x)$

$\displaystyle S_P= \{ x; P(x)\}
$

を対応づけると、命題の議論を集合の議論に置き換えられることがある。

それ以外にも、命題と集合とのあいだには密接な関係がある。

  $\displaystyle S_P \cap S_Q=\{x; P(x)\wedge Q(x)\}$    
  $\displaystyle S_P \cup S_Q=\{x; P(x)\vee Q(x)\}$    
  $\displaystyle \complement S_P =\{x; \neg P(x)\}$    

集合の包含関係

$\displaystyle S\subset T  {\Leftrightarrow} \forall s (s\in S \implies s\in T)
$

集合を扱うときに、例えば、

はそれぞれ違うものである。明確に区別する必要がある。

集合と写像を組み合わせた問題は、論理力をみがく格好の材料である。

定義 6.1   写像 $ f:X\to Y$ が与えられているとき、

  1. $ X$ の部分集合 $ A$ に対して

    $\displaystyle \{ f(x); x\in A \}
$

    $ A$$ f$ による像といい、$ f(A)$ で表す。
  2. $ Y$ の部分集合 $ B$ に対して

    $\displaystyle \{ x\in X; f(x)\in B \}
$

    $ B$$ f$ による逆像といい、$ f^{-1}(B)$ で表す。

レポート解答における注意事項

問題 6.1   定義 6.1 の状況の下で、 $ A_1,A_2 \subset X$ , $ B_1,B_2\subset Y$ とするとき、

$\displaystyle f(A_1)\cap f(A_2)=f(A_1\cap A_2)\tag あ$    
$\displaystyle f^{-1}(B_1)\cap f^{-1}(B_2)=f^{-1}(B_1\cap B_2)\tag い$    

はいつでも正しいだろうか。正しい場合には証明し、 正しくない場合には具体的な反例を挙げよ。

面白いことに、写像を扱う上では、 「像」よりも「逆像」のほうが楽な場合が多い。 たとえば、「逆像をとる」という操作は 集合の和、共通部分を考える操作など多くの操作と可換である。



2006-11-22