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代数学 C No.13要約

今日のテーマ

\fbox{群の集合への作用と表現}

定義 13.1   群 $ G$ の集合 $ X$ への作用とは、次のような条件を満たす写像

$\displaystyle G\times X \ni (g,x)\to g.x \in X
$

のことである。
  1. $ (g_1 g_2). x = g_1.(g_2. x)$ ( $ \forall g_1,g_2\in G, \forall x \in X$ ).
  2. $ e.x=x$ ( $ \forall x \in X$ ).

例 13.1   群 $ G$ と、その部分群 $ H$ が与えられたとき、$ G$$ G/H$

$\displaystyle g. [ x ] =[ g x ]
$

により作用する。($ [x] $$ x\in G$$ G/H$ でのクラス).

例 13.2   群 $ G$$ G$ への作用を次の三種類定義することができる。
  1. $ g. x=g x$ . (左作用)
  2. $ g . x = x (g^{-1})$ . (右作用)
  3. $ g. x = g x g^{-1} $ . (共役による作用).

例 13.3   有限群 $ G$ が与えられているとき、 $ X=\{G$   の部分群 $ \}$ への $ G$ の作用が

$\displaystyle g. H= g H g^{-1}
$

により決められる。 更に、正の整数 $ n$ に対して、 $ X_n=\{ H\in X; \vert H\vert=n\}$ とおくと、$ G$ は 上記と同じ定義式により $ X_n$ にも作用する。

補題 13.1   $ G$ が有限集合 $ X$ に作用しているとする。このとき $ G$ から $ \mathfrak{S}_n$ ($ n=\char93  X$ )への群準同型が定まる。

※レポート問題

問題 13.1   $ G=\mathfrak{S}_3$ にたいし、$ G$ の部分群の全体 $ X$ を考える。 このとき、
  1. $ X$ を求めよ。
  2. $ G$ は共役により $ X$ に作用するから、補題 13.1 のように

    $\displaystyle G\to \mathfrak{S}_6
$

    が定まる。この写像を具体的に書き下せ。



2006-07-10