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代数学 C No.10要約
群の直積 (+準同型定理の応用)
定義 10.1 (群の直積)

と、

とが共に群であるとする。このとき、デカルト積集合
は、次のような演算

により群になる。

を

と

の(群としての)直積と呼ぶ。
定理 10.1 (有限巡回群の直積分解)
を互いに素な正の整数とする。このとき、同型
が存在する。
系 10.1
を互いに素な整数とすると、
となる整数
が存在する。
この系自身もよく利用される。
が具体的に与えられたとき、
の値を具体的に求めるには、ユークリッドの互除法を用いると良い。
応用例として一つだけ挙げておく。
※レポート問題
つぎのうち一問を選択して解きなさい。
(期限:次の講義の終了時まで。)
- (I).
- 適当な準同型
を考えることにより、
が位数
の巡回群と同型であることを示しなさい。
- (II).
-
のとき、
をみたす
整数の組
を求めなさい。(コンピュータを用いても良い。というか
実際問題として必須だろう。)
必要なら
http://www.math.kochi-u.ac.jp/docky/kogi/index.html
からたどれるページで ubasic もしくはmupad をダウンロードして
使うと良い。C言語で組んで問題を解く際にはオーバーフローを起こさないように
注意すること。
2006-06-19