環 と有限群 が与えられているとき、 群環 が定義されることを前回示した。
実は、 は 自体の上に表現できる。 このことを、とくに が体 のときに詳しく見てみることにする。
まず、群の表現の定義からしておこう。 一般に、可換体 上の一般線型群 とは、 の元を成分に持つような行列で、その行列式が可逆であるようなものを 全部集めた物である。 つまり、
上の の -次元表現 が決まると、 の元 の の元 への「作用」が
逆に、このような「作用」があれば、上の定義の意味での表現を 定義することができる。行列を書くよりもその方が簡明であることが多いので、 以下では多くの場合作用でもって表現を定義する。
厳密にいえば、 の元にどのように順番を付けるかによって の各元を表す行列は違ってくる。 このことについてはもっと後で詳しく調べるが、さしあたっては、 の元の順番は適当に付けて、それを明示した上で行列で表現する ことにする。