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代数学特論II 要約 No.14
今日のテーマ:
関数環の定義の追加と復習。
定義 14.1
は
に
を追加してできる環、すなわち
についての
係数の多項式全体のなす環、
は
の形式的べき級数のなす環であった。
の部分環
を、
$f$ の収束半径は正
で定義し、
上の収束べき級数環と呼ぶ。。
インデックスの記号は、関数環
を明示して次のように書いておく
のがよい。
定義 14.2 (定義13.2再掲)
とする。
とおいて、
の
上のインデックスを
で定義する。(但し二つの次元がともに有限次元のとき。)
本講義の参考書「加群十話」にはマルグランジュの定理(161ページの定理10.1)が
書いてある。
定理 14.1 (マルグランジュ)
を
と書いたとき、
-
-
(但し、
は
の零点の位数をあらわす。)
この講義ではこの定理の証明は述べないが、
次の例についてインデックスがどうなっているか、
述べたい。
例 14.1
にたいして、
-
-
実際、この例については
と
はすぐにわかる。
がポイントで、これは微分方程式の形式的な解が必ずしも収束しないことと
対応している。
平成16年2月19日