今日のテーマ:
まずはレポート問題の解答について。
問題 6.1
とする。このとき、
1. の 上の最小多項式を求めなさい。
2. とおくとき、 をそれぞれ求めなさい。
まず、2. で や の定義が分かっていないようであった。 の定義は の -ベクトル空間としての次元であって、それは 自然数である。まずこれを理解していただきたい。
つぎに、最小多項式と拡大次数のカラミであるが、 これは No.3 にある。簡単に言ってしまえば、
体 に 上代数的な元 を追加して を作ったとする。 もし の 上の最小多項式の次数が であるなら、 である。
ということになる。さらに、実はこのとき でもある。すなわち、 上 で生成される環は実は自動的に体になるのだ。 これには が 上代数的であることが効いている。
問題 6.2
上の問題 6.1で、 となるような の例 を (補題6.2 の証明を参考に)一つあげなさい。
ここで面白いのは と はうまくいかない、というところだろう。 じつはそれ以外ならば大抵うまくいくのだ。問題にあるように補題6.2の証明を 参考にしてももちろん良いわけだが、このような を直接見つけることもできる。 キーになるのは次のことである。(対称性をうまく利用する。)
が の解ならば、,,,,もそうである。