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代数学特論 I 要約 No.3
今日のテーマ:
今回も、
といえば体を指すものとする。
前回、次の補題を証明し残した。
補題 1
(前回の補題2.5)
が与えられていて、その最小多項式
が
上の多項式として 一次式の積 に分解できた
とする。このとき、
の直和分解
で、
1.
2.
各
上では
は巾零
となるものが存在する。
は次の諸性質を満たす。
1.
での
の最小多項式はちょうど
である。
2.
3.
4.
ある
があって、
は巾等(
)かつ、
がなりたつ。
定義 1
(前回の定義2.3)
のことを
の固有値
に属する弱固有空間と呼び、
のことを
に対応する射影と呼ぶ。 。
定理 1
(Cayley-Hamilton)
-次の正方行列
に対して、その固有多項式
を
で定義する。このとき、
がなりたつ。
問題 3.1
次の(複素数を成分にもつ)各行列の固有値(重複は考慮しない)と、 それに属する弱固有空間に対応する射影を全て求めよ。
1.
2.
Yoshifumi Tsuchimoto
2000-10-21