講演者らは医薬分子の立体構造探索のために、立体構造の配置空間 という幾何的数理モデルの構築を目指している。講演では、最初に、一番基本となる n個の炭素が環状に結合した、n員環と呼ばれる構造の配置空間のトポロジーについて 触れる。 さらに、講演時間の大部分を使って、分子構造の柔軟性とその持つ意味、実際の分子 に見られる配置空間について医薬品化学の立場から考察された結果を述べる。この中 で幾何的数理モデルによる大環状化合物の構造解析の可能性にも言及する。